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論文

事故耐性燃料(ATF)の開発状況,1; 原子力の安全性向上に資する技術開発事業での事故耐性燃料の開発の概要

山下 真一郎

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 65(4), p.233 - 237, 2023/04

2011年の東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故を契機に、軽水炉の安全性を飛躍的に高めることが期待される事故耐性燃料(ATF)の早期実用化への関心が世界的に高まり、現在、世界中の多くの国々で研究開発が進められている。本稿では、2015年より、経済産業省資源エネルギー庁の支援のもとで進められてきている、国内のATF技術開発の概要を紹介する。

論文

薄い液膜下における鋼の腐食に及ぼす腐食抑制剤の影響

門馬 悠一郎*; 坂入 正敏*; 上野 文義; 大谷 恭平

材料と環境, 71(5), p.133 - 137, 2022/05

薄い液膜下における鋼の腐食に及ぼす腐食抑制剤の影響を調査した。試料上に1.0-0.2mmの厚さの液膜を形成し、モリブデン酸ナトリウムと乳酸アルミニウム混合液を腐食抑制剤として添加し電気化学測定を実施した結果、腐食抑制剤はアノード反応を抑制すること、および液膜中では完全浸漬に比べて腐食抑制剤による保護層の形態が液量に応じて変化することが示唆された。

論文

NH$$_4$$$$^+$$ generation; The Role of NO$$_3$$$$^-$$ in the crevice corrosion repassivation of type 316L stainless steel

青山 高士; 菅原 優*; 武藤 泉*; 原 信義*

Journal of the Electrochemical Society, 166(10), p.C250 - C260, 2019/01

 被引用回数:5 パーセンタイル:16.76(Electrochemistry)

その場観察機能を備えたすき間腐食試験用フローセル中でSO$$_4$$$$^{2-}$$を含む1MNaCl溶液と、NO$$_3$$$$^-$$を含む1MNaCl溶液を用いてすき間腐食試験を行った。そして、すき間腐食の進展挙動の観察とすき間内溶液分析によって、NO$$_3$$$$^-$$のすき間腐食抑制機構を解析した。その結果NO$$_3$$$$^-$$によるすき間腐食の再不働態化は、すき間開口部での腐食の成長が停止した後に、すき間内部に向かって成長する腐食が停止する二段階の現象であり、前者はNO$$_3$$$$^-$$による活性溶解の軽減効果、後者はNH$$_4$$$$^+$$生成に伴うpH増加によるものであることが明らかとなった。

論文

高圧湧水下におけるプレグラウチングとポストグラウチングを併用した湧水抑制効果の評価

見掛 信一郎; 池田 幸喜; 松井 裕哉; 辻 正邦*; 西垣 誠*

土木学会論文集,C(地圏工学)(インターネット), 74(1), p.76 - 91, 2018/03

瑞浪超深地層研究所の研究坑道掘削では、湧水抑制対策の観点でプレグラウチングを実施した。深度500m水平坑道の掘削完了後、高圧湧水下(最大4MPa)でプレグラウチングの実施範囲に対してポストグラウチングを併用した。ポストグラウチングの注入範囲はプレグラウチングの外側とし、溶液型材料、複合動的注入工法を適用した。その湧水抑制効果は、グラウチングを実施しない場合に対して湧水量を約100分の1まで低減できた。これらの結果から、プレグラウチングとポストグラウチングを併用した湧水抑制対策は高圧湧水下で適用でき、湧水抑制効果が高いことを提示できた。また、グラウチングによる透水性の低下割合と注入範囲の関係について理論に基づく評価を行い、その手法は簡便であり設計や湧水量予測において有用性が高いことを示した。

論文

未除染森林から放射性セシウムの流出による生活圏の再汚染を防止する技術

長洲 亮佑*; 田邉 大次郎*; 横塚 享*; 熊沢 紀之*; 安食 貴也*; 相澤 雄介*; 長縄 弘親; 永野 哲志; 柳瀬 信之*; 三田村 久吉*; et al.

環境浄化技術, 17(2), p.58 - 61, 2018/03

原子力機構は、茨城大学, 熊谷組およびグループ会社であるテクノスとともに、森林からのセシウムの移行を抑制する新技術を開発した。この新技術では、ポリイオンと呼ばれるイオン性高分子と鉱物である粘土を併用し、降雨や雨水の流れといった自然の力を利用して、セシウムの移行を抑制する。福島県飯舘村で新規技術の実証試験を行い、森林から森林に隣接する牧草地へのセシウム移行に対する抑制効果を証明した。

論文

「高速炉冷却材液体金属ナトリウムの化学的活性度抑制技術」の紹介

斉藤 淳一

日本機械学会動力エネルギーシステム部門ニュースレター, (56), p.2 - 3, 2017/09

液体金属ナトリウムは伝熱流動性、構造材との良好な共存性などの多くの冷却媒体として優れた特性を有していることから、高速炉の冷却材として使用されている。一方で酸素や水と反応しやすく、その際の反応熱量が大きく、反応速度が速いという化学的活性度が高い。そこで、ナトリウム自身の化学的活性度を抑制するというアイデアを創出し、その研究開発を進めてきた。その結果、ナノ粒子分散ナトリウムの化学的活性度の抑制が確認され、プラントの安全性が向上し、通常運転を超える厳しい条件での事故時にも裕度を持って対応が可能となる見通しが得られている。これまでに取得したナノ流体の主な反応抑制よりプラントへの効果について述べる。

論文

大深度地下における湧水抑制のための岩盤グラウト技術

辻 正邦*

土木クォータリー, Vol.190, p.51 - 74, 2016/05

瑞浪超深地層研究所では、研究坑道掘削時に坑道周辺のプレグラウチングを実施した。特に大深度地下では、高水圧と低透水性岩盤といった既往の実績がほとんどない条件下であることから、グラウチング技術の開発を行いながら坑道掘削を進めてきた。深度500mの研究アクセス南坑道では、プレグラウチングを実施しながら掘削を行い、掘削完了後の一部区間を対象にポストグラウチングの設計施工を実施した。本報告では、プレ及びポストグラウチングの設計、施工実積の概要について紹介するとともに、一連のグラウチングによる大深度地下における湧水抑制効果の評価について報告する。

論文

JT-60U用負イオンNBI装置の長パルスビーム出力の安定化

本田 敦; 河合 視己人; 岡野 文範; 大島 克己*; 沼澤 呈*; 大賀 徳道; 池田 佳隆

平成16年度大阪大学総合技術研究会報告集(CD-ROM), 4 Pages, 2005/03

JT-60U用負イオンNBI装置を従来定格の10秒から30秒までとする改造を行い、ビーム入射実験を開始したところ10秒未満の運転時に比較してビーム出力が時間とともに大きく変動する事例が目立つようになった。原因は受電周波数変動と既存のフィラメントプレプロ制御の限界によるもので、フィラメント電源の制御応答高速化,プレプロ制御へのフィードバック機能導入により出力変動を抑制した。その詳細について報告する。

論文

Experimental results of functional performance of a vacuum vessel pressure suppression system in ITER

柴田 光彦; 高瀬 和之; 渡辺 博典; 秋本 肇

Fusion Engineering and Design, 63-64, p.217 - 222, 2002/12

 被引用回数:5 パーセンタイル:34.51(Nuclear Science & Technology)

本報は、核融合実験炉の圧力抑制システムが設計どおりの機能を有していることを実験的に調べたものである。試験は、核融合実験炉の構成要素(真空容器や圧力抑制システム等)を約1/1600のスケールで簡略モデル化した装置を使って、核融合実験炉の運転条件を模擬した条件下で真空容器内冷却材侵入時の圧力上昇挙動を調べた。一連の試験を行い、次の結論を得た。(1)3本のリリーフ配管を使用した場合には1本だけの場合に比べて真空容器内の最高到達圧力を約50kPa低下できる。(2)真空容器内の圧力上昇はリリーフ配管の断面積に大きく依存する。(3)最大水侵入時における真空容器内の圧力上昇速度は秒速100-200kPaである。(4)冷却材の温度,圧力,真空容器壁温,侵入水量等の広範囲な条件に対しても圧力抑制システムは設計どおりの性能を十分期待できる。

論文

Development of Be/DSCu HIP bonding and thermo-mechanical evaluation

秦野 歳久; 黒田 敏公*; Barabash, V.*; 榎枝 幹男

Journal of Nuclear Materials, 307-311(2), p.1537 - 1541, 2002/12

 被引用回数:4 パーセンタイル:29.2(Materials Science, Multidisciplinary)

ITER第一壁においてベリリウムとアルミナ分散強化銅の冶金的に接合した構造体が必要である。そこで熱伝導がよく、高い接合強度が得られる高温等方加圧接合法を適用することにした。しかし、直接接合すると熱膨張率の差及び接合面での脆い金属間化合物の生成により十分な性能を有する接合体が得られない問題があった。これらの問題を解決するために、応力緩和及び反応抑止を目的として第3金属を中間層として挿入する方法を考案した。中間層材質,中間層成膜方法,HIP条件等をパラメータに機械試験と金相観察により評価することによって、これらを最適化し良好な性能を発揮する二種類の接合方法を選定した。選定した条件は中間層にアルミ/チタン/銅、接合温度555$$^{circ}C$$と中間層に蒸着した銅、接合温度620$$^{circ}C$$である。さらにそれら接合体の熱負荷試験により性能を比較し、熱機械特性について考察した。

論文

Experimental verification of effectiveness of integrated pressure suppression systems in fusion reactors during in-vessel loss of coolant events

高瀬 和之; 秋本 肇

Nuclear Fusion, 41(12), p.1873 - 1883, 2001/12

 被引用回数:6 パーセンタイル:21.41(Physics, Fluids & Plasmas)

核融合炉ITERの真空容器内に冷却材が侵入する事象はICE(Ingress-of-Coolant Event)と呼ばれる。著者らはICE予備実験装置を使ってICE事象時の物理現象を調べ、圧力上昇に及ぼす支配因子を摘出した。ICE予備実験の結果からICE事象時のITER安全性を予測することは、ICE予備実験装置がITER形状を模擬していないため困難である。しかしながら、ICE挙動の定量化及び安全性評価解析コードによる実験データの検証は核融合炉の安全設計にとってたいへん重要である。そこで、ITERの圧力抑制システムを参考にしてICE統合試験装置を製作し、ICE事象時の安全システムの妥当性を定量的に調べた。また、軽水炉の安全性評価解析に利用されたTRAC-PF1コードを使って数値解析を行って予測精度の妥当性を評価した。本研究の結果、ITERのサプレッションタンクシステムはICE事象時の圧力上昇を抑制するために十分効果的であることがわかった。また、ダイバータやサプレッションタンク内の二相流挙動を定量的に把握することができた。さらに、TRAC-PF1コードによる解析結果は試験結果を十分予測でき、核融合炉用安全性評価解析コードの開発に高い見通しを得た。

論文

Effect of radiation-degraded chitosan on plants stressed with vanadium

Tham, L. X.*; 長澤 尚胤*; 松橋 信平; 石岡 典子; 伊藤 岳人*; 久米 民和

Radiation Physics and Chemistry, 61(2), p.171 - 175, 2001/05

重金属バナジウム(V)による植物の障害と照射キトサンによる障害抑制効果について検討した。コムギやオオムギはコメやダイズに比べ、Vに対する感受性が高かった。これらの植物は、2.5$$mu$$g/gのVですべて障害を受けた。放射線分解キトサンを加えることにより、このVによる障害は軽減された。V障害の抑制には、70~200kGy(1%水溶液中)照射したキトサンの10~100$$mu$$g/g添加が効果的であることがわかった。また、$$^{48}$$VのBASによる移行計測の結果、キトサンの添加により$$^{48}$$Vの根から葉への移行が抑制されることが明らかとなった。これらの結果から、穀物生産のために100kGy程度の照射を行ったキトサンが有効である(生育促進及び重金属障害抑制)と考えられた。

報告書

第三回東海再処理施設技術報告会

槇 彰; 佐本 寛孝; 田口 克也; 佐藤 武彦; 清水 亮; 庄司 賢二; 中山 治郎

JNC TN8410 2001-012, 185 Pages, 2001/04

JNC-TN8410-2001-012.pdf:9.61MB

本資料は、平成13年3月14日に日本原燃(株)六ヶ所事務所にて開催した「第三回東海再処理施設技術報告会」の予稿集、OHP、アンケート結果を報告会資料としてまとめたものである。東海再処理施設技術報告会は、これまでに2回開催されており、第一回は「東海再処理施設の現状、今後の計画」について、第二回は「東海再処理施設の安全性確認作業」について、東海再処理施設においてこれまでに得られた技術・知見等を紹介してきた。今回第三回は、「東海再処理施設の腐食・ISIに関する実績と今後の計画」について東海再処理施設においてこれまでに得られた技術・知見等の報告を行ったものである。

論文

Radiation degradation of chitosan and induction of biological activities

久米 民和

Chitin and Chitosan; Chitin and Chitosan in Life Science, p.190 - 193, 2001/00

キトサンは、放射線処理により粉末・溶液いずれの状態でも容易に分解する。放射線分解したキトサンには、抗菌活性や植物の生育活性化などの新しい機能の発現が認められる。抗菌活性としては、細菌(大腸菌E.Coli)に対する作用が強いが、糸状菌抑制効果も発現する。植物に対しては、植物の自己防御機能(抗菌物質であるファイトアレキシンを誘導するエリシター活性)の増大が認められる。また、重金属(VやZnなど)による生育障害の抑制効果や植物の生育促進などの効果も認められる。これらの結果は、天然高分子であるキトサンの放射線分解により、農業や医療分野で利用できる新しい機能を誘導できることを示したものである。

論文

圧力抑制タンク内に噴出する蒸気の直接接触凝縮に関する解析

高瀬 和之; 小瀬 裕男*; 鈴木 貴行*; 功刀 資彰*

日本機械学会関東支部山梨講演会(2001)講演論文集, p.197 - 198, 2001/00

核融合炉真空容器内で冷却侵入事象が起きると水の沸騰蒸発により圧力は上昇する。発生した蒸気は内部に水を有し、初期に大気圧以下に減圧された圧力抑制タンクに送られる。ここで、蒸気は水との直接接触によって凝縮し、その結果系統内の温度が低下して圧力上昇が抑制される。本研究では、減圧下における蒸気の直接接触凝縮に関する現象解明を目的として、凝縮時の相変化挙動に対しMARS法を使った数値解析による予備的検討を行った。凝縮モデルは温度回復法を低圧下への適用を考慮して改良した。可視化試験結果と比較し、微細気泡の直接接触凝縮挙動をよく模擬できることがわかった。今後は凝縮促進のためにクエンチャー構造を模擬した体系下での解析を行う考えである。

論文

Experimental verification of integrated pressure suppression systems in fusion reactors at in-vessel loss-of-coolant events

高瀬 和之; 秋本 肇

Proceedings of IAEA 18th Fusion Energy Conference (CD-ROM), 5 Pages, 2001/00

核融合実験炉ITERの真空容器内に冷却材が侵入する事象はICE(Ingress-of-Coolant Event)と呼ばれる。著者らはICE予備実験装置を使ってICE事象時の物理現象を調べ、圧力上昇に及ぼす支配因子を摘出した。ICE予備実験の結果からICE事象時のITER安全性を予測することは、ICE予備実験装置がITER形状を模擬していないため困難である。しかしながら、ICE挙動の定量化及び安全性評価解析コードによる実験データの検証は核融合炉の安全設計にとってたいへん重要である。そこで、ITERの圧力抑制システムを参考にしてICE統合試験装置を製作し、ICE事象時の安全システムの妥当性を定量的に調べた。また、軽水炉の安全性評価解析に利用されたTRAC-PF1コードを使って数値解析を行って予測精度の妥当性を評価した。本研究の結果、ITERのサプレッションタンクシステムはICE事象時の圧力上昇を抑制するために十分効果的であることがわかった。また、ダイバータやサプレツションタンク内の二相流挙動を定量的に把握することができた。さらに、TRAC-PF1コードによる解析結果は試験結果を十分予測でき、核融合炉用安全性評価解析コードの開発に高い見通しを得た。

報告書

腐食生成物としてのマグネタイトによる炭素鋼オーバーパックの腐食への影響

谷口 直樹; 本田 明; 川崎 学*; 舛形 剛*

JNC TN8400 2001-001, 56 Pages, 2000/12

JNC-TN8400-2001-001.pdf:2.05MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分における炭素鋼オーバーパックの腐食寿命を評価するうえで、堆積する腐食生成物による腐食への影響を明らかにする必要がある。特に、マグネタイトを模擬腐食生成物として与えると、腐食が加速されるという報告があり、その影響を把握することが重要である。そこで、腐食生成物としてのマグネタイトが炭素鋼オーバーパックの腐食に及ぼす影響を評価することを目的としてマグネタイト共存下での腐食加速再現試験および腐食加速機構の解明のための試験を実施した。その結果、以下のことが確認された。(1)粉末のマグネタイトは炭素鋼の腐食を加速する作用を有する。その主要因はマグネタイト中の3価鉄の2価への還元反応であるが、水素発生反応もある程度加速される。マグネタイト共存下での炭素鋼の浸漬試験では、腐食反応に占める水素ガス発生反応の寄与は30%程度であった。(2)炭素鋼の腐食によって生じたマグネタイトを含む腐食生成物層は炭素鋼の腐食をむしろ抑制する。また、マグネタイトによる腐食の促進を仮定し、実験結果に基づいて1000年間の腐食深さを見積もった。その結果、マグネタイトに起因する腐食深さの増加は1mmにすぎず、これを加えてもトータルの腐食深さは約33mmであり、第2次取りまとめにおいて設定されている炭素鋼オーバーパックの腐食しろの40mmを超えないことがわかった。よって、オーバーパック寿命へのマグネタイトによる腐食加速の影響はほとんど無視できることがわかった。

報告書

改良オーステナイト最適化鋼の開発(II) - 試作被覆管の炉外試験評価 -

上羽 智之; 水田 俊治; 鵜飼 重治

JNC TN9400 2000-028, 41 Pages, 2000/03

JNC-TN9400-2000-028.pdf:2.52MB

改良オーステナイト最適化鋼(14Cr-25Ni鋼)は改良オーステナイト鋼(15Cr-20Ni鋼)の更なる耐スエリング性能を改善するため改良を行っている炉心材料である。この改良では照射中の析出物の微細・安定化を図るために、Ti,Nb,V,Pを複合添加し高温溶体化処理によってマトリックスに固溶させている。更に、最終冷間加工において加工度の増加と同時に残留応力を低減化している。14Cr-25Ni鋼の試作被覆管について実施している炉外試験のうち、組織観察(製品まま)、固溶量測定、結晶粒度測定の結果を評価し、以下の結果が得られた。(1)組織観察では、粒内に球状の析出物が認められた。EDXによる組成分析の結果、この析出物はTi,Nbの複合炭窒物[Ti,Nb(C,N)]がほとんどであった。(2)固溶したTiとNbの添加量に対する割合はそれぞれ70%、30%程度であった。未固溶のTi,Nbは未固溶CとMC型の炭化物を形成している可能性がある。(3)添加元素をマトリックスに十分に固溶させるために溶体化処理温度を高温にすると結晶粒が粗大化しやすくなり、超音波探傷検査におけるシャワーエコーの発生原因となる。結晶粒度測定の結果、Nbの添加量を標準鋼(0.2wt%)よりも少なくした鋼種(0.1wt%)では粗大粒の発生が少なく、Nb添加量の減少による結晶粒度制御の効果が確認できた。また、合金元素の固溶を促進させるために溶体化処理温度を高くしても、例えば中間冷間加工度を高めにすると同時に中間熱処理温度も高くするなど中間冷間加工と中間熱処理の条件を適切に設定することにより結晶粒の粗大化を抑制できる可能性がある。

報告書

高温下におけるキャビティ生成・成長の加速・抑制因子; 数値計算による成長シミュレーション

向井 将一; 上野 文義

JNC TN9400 2000-017, 10 Pages, 2000/03

JNC-TN9400-2000-017.pdf:0.58MB

キャビティの生成・成長挙動に関する研究は,クリープ試験により得られた破断後の試験片の破面観察,あるいは中断試験で得られた試料を観察することにより行われることが多いが,結晶粒界上に発生した1ミクロン程度のキャビティの成長挙動を連続観察により経時的に把握することは容易ではない.数値計算によるシミュレーションは観察が困難な材料内部の局所的な挙動を連続的に追跡できるため,キャビティの成長挙動を検討する上で有効な手段となることが考えられる.本研究では,結晶粒界上に発生したキャビティの成長挙動について拡散方程式を用いた数値シミュレーションを試み,表面拡散/粒界拡散,応力等の因子がキャビティの成長におよぼす影響について以下の知見を得た.(1) 粒界拡散が表面拡散に比べ十分大きい場合には,キャビティはき裂形状に遷移する.一方,表面拡散が粒界拡散に比べ十分大きい場合には,キャビティは初期形状を保ちながら成長する.(2)粒界拡散が表面拡散に比べ十分大きい場合には,粒界に作用する垂直応力に誘起された粒界拡散によりキャビティ先端部付近の成長速度が著しく加速される.(3)表面拡散が粒界拡散に比べ十分大きい場合には,キャビティ表面での化学ポテンシャルの分布はほぼ均一であるが,粒界拡散が表面拡散に比べ大きくなるにつれて,キャビティ先端部での化学ポテンシャルの勾配が大きくなる.

報告書

円柱の渦励振回避・抑制条件に関する試験研究

堺 公明; 森下 正樹; 岩田 耕司; 北村 誠司

JNC TN9400 2000-012, 43 Pages, 2000/03

JNC-TN9400-2000-012.pdf:2.12MB

サイクル機構では、温度計さや管の破損を防止する観点から、渦励振および乱流励振に対する評価方法を整備するとともに、それらの実験的検証を進めている。本試験研究は、配管内水流中の円柱の渦励振に関して、従来ほとんど報告が見当たらない構造減衰の影響を調べた試験データを取得し、設計基準等で採用している渦励振の回避・抑制条件の妥当性の検討に資することを目的としている。流力振動試験は、配管によるループを用いて、配管内に突き出した片持ち支持の円柱試験体について行った。円柱試験体は合計4体で、外観寸法が同一の円柱の内部に質・量の異なる粘性体を充填することにより構造減衰を変化させた。円柱試験体の換算減衰Cnは、それぞれ、0.49,0.96,1.23,2.22であった。無次元流速(Vr)が約0.7$$sim$$約5の範囲(Vr=1におけるレイノルズ数:約8$$times$$10の4乗)で流速を漸増し円柱の変位を測定した。その結果、換算減衰0.49および0.96の試験体は、無次元流速1以上において流れ方向振動が発生したが、換算減衰1.23および2.22の試験体は、振動は、直径の1%以下のレベルに抑制され、有意な渦励振は認められなかった。流れ方向および流れ直交方向渦励振の抑制条件として、ASMEボイラ・圧力容器規格SecIII,Appendix N-1300やサイクル機構の策定した「温度計の流力振動防止のための設計方針」に用いられている判定基準「Vr$$<$$3.3かつCn$$>$$1.2」は、本試験体系(配管内水流片持ち支持円柱)の範囲において概ね適切であった。

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